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中村駿太(柏レイソルU-18⇒青森山田高)ってどんな選手?プレースタイルやプロフィール・経歴まとめ

2017年、名門の柏レイソルU-18から、同じく名門の青森山田へ、高校3年生にして「移籍」した選手をご存知でしょうか。
その選手の名は、中村駿太。小学生の頃から柏レイソルの下部組織で活躍し、年代別日本代表にも選ばれるような選手です。

そんな注目のフォワード中村駿太の、プレースタイルや経歴、プロフィールについて、まとめました。

170cmと小柄だが、ボディバランスに優れ、ボールが収まる。

中村駿太のプロフィール

背番号:11(高校3年、青森山田在籍時)
ポジション:フォワード
身長:170cm
体重:66kg
生年月日:1999年5月10日
経歴
勝田台FC
⇒柏レイソルU-12
⇒柏レイソルU-15
⇒柏レイソルU-18
⇒青森山田高校

高校3年生で170cm。サイズはかなり小さいです。
それでも、この世代屈指のフォワードとして、結果を残し続けてきました。
小さいことをネガティブに捕らえず、自分に何が出来るのかを良く考えているのだと思います。

雑誌やメディアのインタビューでは、その風貌からブラジル代表のロナウドと言われる事も有りますが、本人は体格やプレースタイルが似ているアグエロとテベスを参考にしているようです。

チャンスメイクもフィニッシュも出来る、ストライカー。

動き出しとポジションニングに優れ、決定力が高い選手。

これだけだと、小柄なフォワードに良くある特徴ですが、中村駿太はそれだけではありません。

左右の足を問わずに強く正確なシュートが出来る。
高さこそ無いが頭で合わせる形も持ち、クロスへ合わせるパターンも多い。
ボディシェイプとワンタッチ目の持ち出しが素晴らしく、ボールを受けて前を向き、ドリブルで進める。
一度ボールに触り、素早く預け、危険なエリアに潜り込んで再びボールを呼び込める。
フォアチェックやプレスバックなどのディフェンスも精力的。

点が取れるストライカーであることが最大の魅力であることは揺らぎません。
それに加えて、現代型のフォワードに必要な要素の多くを、高いレベルで持ち合わせています。

風貌も含めて、これだけフォワードらしいフォワードは、昨今の若手FWでは珍しく、
今後大きく期待できる、期待したくなる、そんな選手です。

ポジションはフォワード。下がり目やシャドーでも生きる

柏レイソルのジュニアユースやユースは、伝統的に4-1-4-1を採用することが多いチームです。中村駿太は、この布陣のワントップを担うことが多かったです。

転入先の青森山田は、年によって若干マイナーチェンジを加えますが、加入時2017年のメインシステムは、柏レイソルユースと同じ4-1-4-1。加入直後こそワントップの下のシャドーで使われていましたが、夏のインターハイではワントップでプレー。

スキルからすると、多くの攻撃的なポジションでの可能性が有りそうな選手です。
ただ、得点能力やプレースタイル、そしてメンタリティ的な面からも、やはり適正ポジションは「フォワード」ではないでしょうか。

突然の移籍。高3で、柏生え抜きのエースから、青森山田の新入生へ。

小学4年生でレイソルU-12に加入。それ以来、柏の下部組織で育ったプレーヤーです。

伝説となっているのが、2011年の全日本少年サッカー大会。ここで中村は23ゴールで得点王となり、最多得点記録を31年ぶりに更新。柏レイソルU-12を優勝に導きました。

その後も順調に昇格、柏U-18では高校1年の頃から試合に絡み、高2年では完全にエースの地位を確立。プレミアリーグEASTで8得点し、得点ランク3位となりました。

ただ、高校3年時、なんと柏レイソルU-18から高体連強豪の青森山田高校へ「移籍」します。

青森山田への途中編入は、他にも事例がありますが、それでも簡単なことではありません。そんな厳しいチャレンジを後押ししたのは、神谷優太(東京ヴェルディユース⇒青森山田高⇒湘南ベルマーレ)の存在でした。

神谷優太も、東京ヴェルディのジュニアユースからユースに昇格したが、高校3年で青森山田に編入し、高卒でのプロ入りを決めた選手です。

元々高校サッカーへの憧れが有ったこと、U-18への昇格時にも悩んだこともあったようですが、神谷の言葉もあって、柏U-18のエースとしての地位を捨てて最終学年を青森山田で過ごすことを決めたというエピソードが有ります。

年齢が近いこともあり、二人は揃って2016年にU-19日本代表に選出。そこで、青森山田で大きく成長できたこと、決断して良かったことを、神谷優太から中村駿太に伝えたそうです。

結果を残して掴み取った今の環境に、それでもまだ満足せずに成長し続けたいという強い思いを、高校2年生が持つこと、そして遠く離れた青森の地でチャレンジする決断をしたことは 、今振り返っても驚きで、年代別日本代表エースフォワードの「移籍」を、当時のメディアは大きく取り上げました。

各世代の日本代表に選出。飛び級で上の世代での経験も

中村駿太選手は、以下の通り、各年代の日本代表に選出され続けてきました。

・17年
U-18日本代表

・16年
U-19日本代表、U-18日本代表、U-17日本代表

・15年
U-17日本代表、U-16日本代表

・13年
U-16日本代表

自分の世代では、当然ながら多くの試合でスタメン出場。
さらに飛び級で上の代表に選ばれており、将来性と実力共に評価が高い選手です。
この他にもJリーグ選抜等の経歴も持っています。

気になる進路は、プロ入り濃厚?柏レイソルか、それとも。

記録を更新した2011年全日本少年サッカー大会の際には、柏レイソルのトップチームへの憧れを語っていました。

あれから6年。
すでに柏レイソルを離れましたが、地元の千葉のチームでもある柏レイソルへの愛着は変わらず持っているはずです。

ただ、先の神谷優太が、東京ヴェルディ⇒青森山田⇒湘南ベルマーレと進んだように、そのまま戻ることが規定路線では無さそうですし、中村駿太が青森山田へ編入した理由が、成長のためであることを考えると、単純に心地の良いクラブに戻る可能性は低いのかなと考えます。

いずれにせよ、この世代ではトップクラスの選手ですので、各チームの争奪戦になることは間違い無し。大学経由ではなく高卒プロ入りが濃厚です。 

まとめ:強い覚悟で望む高3の1年間。どこまで伸びるか。

純粋に得点能力が高い、日本に足りないタイプのフォワードである中村駿太。
高校3年生にして、大きなチャレンジを選択しました。

地元を離れて高体連のチームに新加入するよりも、地位を固めた地元のJユースでプレーを続けるほうが、当然ながらリスクは低いですし、そこでも引き続き安定した成長が出来たはず です。

ただ、中村駿太はそれを選びませんでした。

この決断が成功だったことを、プロサッカー選手や将来の日本代表を目指すのであれば、結果で示す必要があります。
それが出来るだけの能力は備わっているはずです。

覚悟や決断を背負って力に変えることができるか。
中村駿太のチャレンジは、続きます。

 

 

加藤雅也(モンテディオ山形ユース)ってどんな選手?プレースタイルやプロフィールのまとめ

2017年夏、高円宮杯クラブユース選手権U-18は、FC東京U-18の優勝で幕を閉じましたが、モンテディオ山形ユースが強豪ユースチームを抑えて3位入賞したことも話題になった大会でした。

そのモンテディオ山形ユースに所属し、左サイドバックとしてのプレーやロングスローで活躍した加藤雅也選手の、経歴やプロフィール、プレースタイルや今後の進路について、まとめてみました。

172cm/57kgと、DFとしては若干小柄

加藤雅也のプロフィール

背番号:3(高校3年時)
ポジション:DF(左サイドバック)
身長:172cm
体重:57kg
生年月日:1999年11月30日
高校:山形中央高校
経歴
F・Cやまぼうしスポーツ少年団
⇒モンテディオ山形JY村山
⇒モンテディオ山形ユース

高校生レベルでは珍しくありませんが、やはり172cm/57kgというところで、若干サイズに不安があります。

ロングスローという武器と、安定感を合わせ持つ、左サイドバック

ポジションは左サイドバック。左右両足でボールを蹴ることができ、そのキックの精度も高いのですが、どちらかというと状況判断力や組み立て力のほうが目を引くことが多く、プレーの安定感や正確性を生かして、攻撃の起点となれる選手です。

守備面では、DFとしてサイズに若干不安があるものの、水準以上の守備力を持っています。

最大の特徴は、ロングスロー。ペナルティエリアから結構な距離がある場所からでも、ボックス内にボールが届くレベルの飛距離で、加えて高精度。 サイドバックなので、全体のポジションバランスを崩すことなくロングスローを放てるという事情もあってか、状況に関わらず、左からのスローはロングスローを選択しているようでした。

明確な武器としてロングスローがある上に、攻撃の起点としてビルドアップに関わり、かつ守備も出来る、両足使える左サイドバック。非常に貴重な人材と言えます。

モンテディオ山形のアカデミー育ち

小学生はF・Cやまぼうしスポーツ少年団、
中学ではモンテディオ山形JY村山に所属していました。
そのまま高校生になるとモンテディオ山形ユースに無事に昇格。
高校1年生の頃から左サイドバックとしてレギュラー格の存在
クラブユース選手権などの全国大会にも1年生から出場し経験を積んでいます。

年代別代表歴は無いが、ナショトレやJ選抜の経験は有り

小学6年生の時には、岩手県の安比高原スポーツパークで行われた
2011ナショナルトレセンU-12東北(第1回)メンバーの100名に選ばれました。
中学のタイミングJリーグのジュニアユースに入団したことからも
幼い頃から東北エリアで期待されていたプレーヤーの1人です。

全国レベルでは、U-16のJリーグ選抜チームメンバーに選ばれた経歴が有り
高校1年時の2015年8月23日~8月31日にマレーシアのジョホールバルへ海外遠征しています。

高3夏のクラブユース選手権で3位の成績

チームとして大きな成績を残したのが、2017年、高校3年生の夏のクラブユース選手権U-18。惜しくも準決勝で浦和ユースに2-0で敗れましたが、全国大会3位というクラブ史上最高の結果を残しました。

加藤雅也は左サイドバックとして攻守に貢献。この大会では左からの組み立てが非常に多かったのですが、加藤雅也がビルドアップに参加することで安定感が生まれていましたし、縦へのスイッチを入れる役割を担っていました。

なによりもロングスローが山形の最大の武器となっている中で、左から組み立てであれば、仮にカットされてもサイドラインを割れば加藤のロングスローを使えるため、崩しきらなくともゴール前でのチャンスに繋がります。
ビハインドで迎えた準決勝の浦和ユース戦の終盤は、右サイドのスローインまでも投げていました。

強豪ユースがひしめく全国大会では押し込まれる展開も多く、普通に崩してチャンスを生む回数は限定的ですが、ロングスローでチャンスを作り全体を押し上げるといった意味でも欠かせないピースの一つとなっており、チームから信頼されていることや、加藤自身の覚悟や責任の大きさを、強く感じられる大会となりました。

気になる進路は…未定だが、大学?

気になる進路ですが、現時点(2017年8月)では発表がありません。
山形ユースは、2学年上では髙橋成樹(DF)、3学年上では摂津颯登(GK)が、トップチームに昇格しプロとなりました。
しかし、加藤雅也の一つ上の年代は、昇格無し。1学年に1人いるかいないか、位の、かなり厳しい枠といえます。
普通に考えれば大学コースではあるのですが、加藤雅也は、ロングスローという明確な武器があり、プレーの安定感と守備力がある左サイドバックという、貴重なプレーヤー。
夏のクラブユース選手権では全国3位という結果を残せたので、秋冬の活躍や、トップチームの選手構成によってはトップ昇格の可能性も十分有るのでは無いでしょうか。